女性がタクシードライバーとして働くメリット・デメリットを解説

近年、タクシードライバーとして働く女性が増加傾向にあることをご存じでしょうか。これには、女性の価値観の移り変わりや、企業による女性が働きやすい職場をつくる努力が背景にあります。そこで今回は、女性がタクシー運転手として働く上で考慮すべきメリット・デメリットを紹介します。

女性がタクシー運転手として働くメリット

女性タクシー運転手として働くことには多くのメリットがあり、魅力的なキャリアパスを提供しています。以下に、その代表的な6つのメリットについて詳しく説明します。

労働時間の調整がしやすい

タクシー運転手の仕事はシフト制が採用されており、自分のライフスタイルや家庭の状況に合わせて働く時間を柔軟に選ぶことが可能です。

たとえば、日中だけ働くこともできますし、残業なしで働きたい場合にも対応できます。働き方の例としては、昼日勤の8時間勤務で週5日働く方法や、隔日勤務で14時間30分の勤務時間に3時間の休憩を挟む形で働くパターンが挙げられます。

自分のペースで働けるため、ワークライフバランスを大切にしたい女性にとっては大きなメリットとなるでしょう。

努力・成果が給与に反映される

タクシー運転手の給与は多くの場合、歩合制が採用されています。

つまり、自分が努力した分だけ収入が増えるため、頑張りが直接報われる環境です。歩合制というと、ノルマや過度な労働時間が気になるかもしれませんが、タクシー会社では月ごとの乗務回数の上限が定められており、最低給与保証がある企業も多いので安心です。

しっかりと働けば収入も上がり、やりがいを感じながら長く働けるでしょう。

女性の活躍の場が広がっている

近年、女性タクシー運転手が活躍しています。

女性ならではの妊婦や介護支援タクシーなど、特定のニーズに応じたサービスが増加しているのです。これらのサービスでは、女性ならではの細やかな気配りが求められる場面も多くなっています。これにより、女性運転手の活躍の場が広がり、さらなるキャリアの選択肢が増えています。

充実した研修制度がある

多くのタクシー会社では、普通自動車第二種運転免許の取得支援や、さまざまな研修制度が充実しています。

未経験からスタートする人が70％を占めるこの業界では、土地勘や運転技術に自信がなくても安心して働ける環境が整っています。さらに、会社によっては免許取得費用を全額援助してくれるところもあるため、金銭的な負担も少なく済むのが特徴です。

企業によっては女性が働きやすい環境が整っている

「女性運転手応援企業」認定制度という、女性タクシー運転手が働きやすい企業を認定する国の制度が設けられています。

この制度を受けた企業は、勤務体制の整備や制服の改良、施設の改善など、女性が働きやすい環境を整えるための取り組みを行っています。2022年時点で749社がこの認定を受けており、女性が長く働ける職場環境が着実に整備されています。

子育て中の女性でも働き続けられるよう、柔軟な勤務体制が用意されているのも大きなポイントです。

将来的には独立も目指せる

将来的に個人タクシーとして独立することも可能です。

個人タクシーは、自分のスケジュールを自由に決められ、収入もすべて自分のものになるという魅力があります。また、自分の価値観に基づいた独自のサービスを提供できるのも魅力の一つです。

個人タクシーとして独立するには、タクシー会社などで10年以上の経験が必要です。そのため、最初はタクシー会社でキャリアを積み、ゆくゆくは独立を目指すというキャリアパスも考えられます。

女性がタクシー運転手として働くデメリット

女性タクシー運転手として働くことには多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。

以下に、代表的な2つのデメリットについて説明します。

お客さんを選べない

タクシー運転手は接客業であるため、乗車を希望するお客さんを選ぶことはできません。

とくに夜間や深夜帯に働く場合、どのような乗客が来るのか予測できないため、女性運転手にとっては不安な要素となることがあります。しかし、多くのタクシー会社では防犯対策がしっかりと取られています。

防犯カメラや仕切り版の設置、緊急通報システムの導入など、運転手の安全を確保するための対策が整っていることが多いです。これにより、タクシーに関わる犯罪は近年減少しており、安心して働ける環境が整いつつあります。

道を覚えるのが大変

「タクシー運転手は道に詳しい」というイメージがありますが、実際にすべての道を覚えることは容易ではありません。

とくに最初は地元の道路状況に精通していないことから、道を覚えることに不安を感じるかもしれません。しかし、最近では高性能なカーナビがほとんどのタクシーに標準装備されており、リアルタイムで道路情報を得ることが可能です。

また、タクシー会社も地元の道路事情を教える研修やサポートを提供しているため、道を覚えるのが苦手な人でも徐々に自信を持てるようになります。

まとめ

近年、女性タクシー運転手が増えており、働きやすい環境が整えられています。主なメリットには、労働時間の柔軟性や頑張りが給与に反映される歩合制、女性ならではの活躍の場の増加、充実した研修制度、女性に配慮した企業環境、さらに将来的な独立の可能性です。一方で、お客さんを選べないことや道を覚える大変さなどのデメリットも存在しますが、防犯対策やカーナビのサポートによって、これらの不安は軽減されつつあります。女性にとって魅力的なキャリアとして注目されている職業です。